となりの音楽家

ひとりごと

音楽の温度
となりの音楽家のお友達、山の音楽家の小リスさん。

 

  10106の住む山郷も春を向かえ、朝夕冷え込みもいくぶんゆるんできたようだ。10106の住まいは大和の国の山奥?伝山辺赤彦の墓のそばでけっこう涼しい(寒い?)。テレビの全国版天気予報を見ると、最低気温、最高気温は長野県のN市とよく似ている。調べてみると標高はいずれも350mぐらい。なるほどと納得。

  音楽ではどうだろう?曲に温度の記載はない。しかし、10106には曲の温度が妙に気になる。熱い曲といえばロック、祭りの音楽、中南米の音楽、ピアソラのタンゴもなかなかの熱さだ。これらの音楽は日本では夏が似合う。暑さを吹き飛ばすため、カレーやタバスコなど香辛料の刺激に依存するのだろうか?暖かいのは南国の音楽、南欧の音楽、バロックの宮廷音楽、舞踏音楽、恋の歌、子守唄も人肌のぬくもりがある。現状に満足、今の幸せを噛みしめているような音楽が多い。涼しげなのは北欧音楽、演歌、南米のミロンガ、ドイツ音楽も温度低めの曲が多い。現状を大きく否定するわけではないが、満足できず、何かを求める姿勢を感じる曲が多い。冷たい音楽の代表は現代曲だろうか?今はデジタル化などといわれるが、弥生時代以後人間社会は効率化を求めてきた。その社会をそのまま音にしたり、その環境に相容れない自己を表現したり、抵抗したり、、、そして、ロシア音楽!その寒さは圧巻だ。明るく元気な音楽、でもいつも厚着!しなやかさにかける音楽が多い。そして、内側から沸々とこみ上げる血潮のような熱さも感じる。これは日本の演歌やアルゼンチンのミロンガにも通じている。まず寒さや現状に耐え、そこから抜け出したい。そんな音楽が多いように思う。

 

   

  10106はヴァイオリンを奏く。そのとき曲の雰囲気をいかに醸し出すか?にかなり気を使う。ボーイング(運弓)で弦を押さえる圧力と速さをコントロールすることで表現の幅は広がる。熱い曲は勢いでなんとかなるが、暖かい曲は弓の速さを少し押さえる。涼やかな曲は弓の速さを速める。決して抑えてはいけない。冷たい曲では弓の速さを少し押さえて圧をかける。そんな工夫を無意識にしている。それをビブラート(弦を押さえる左の指を振動させること)で微調整、ときに音程まで若干変化させることもある。もともと音程の良くない10106なのになぜそこまでするのか?これはアマチュア音楽家の特権かもしれない。 (^^;

 あなたのお気に入りの曲は数々あるでしょうが、それぞれの曲の温度をご自身の体内温度計で測ってみませんか?

  (10106: 2023.2/15)  

となりの音楽家ひとりごと

年齢と演奏:2004.5/5

グリーグとシベリウス:2005.9/21

オケのヴァイオリン:2006.5/22

練習:2007.10/1

アガル:2007.12/10

モーツアルト:2008.7/1

クロイツェルソナタ: 2009.6/1

OBオーケストラ:2014.5/20

ガブリエル・フォーレ:2014.10/1

ラッスンゴレライ:2015.3/15

カーリング:2016.3/28

日曜美術館:2016.8/1

器用な人、凡人、不器用な人:2016.10/10

コンピューターとのお付き合い:2017.3/10

楽譜、そして準備:2017.6/1

音楽と忖度(そんたく):2017.10/21

模写と演奏:2018.7/10

ドラゴンクエスト:2021.11/10

音楽の聴き方と奏で方:2021.11/11

カーリング再び:2022.3/30

 バッハを聴いて:2022.10/3

 老音楽家の楽しみ:2022.10/5

好きな曲、得意な曲: 2022.10/28

 

 

 
山の音楽家のひとりごと

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歯と肩当て 2001.5/20

ホールと演奏家 2001.6/20

音楽家の夏 2001.8/19

弦 2001.9/17

一弦琴 2001.10/27

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コンサートの楽しみ 2002.1/1

音楽家の冬 2002.1/30

演奏会場の響き 2002.4/7

純正調と平均律 2002.5/18

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音楽の大きさ 2002.8/2

 


 
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