となりの音楽家

ひとりごと

練習
となりの音楽家のお友達、山の音楽家の小リスさん。

 

  先日、毎年主催している“となりの音楽会”が開かれた。となりの音楽家の嗜好から、毎回聴きなれない曲目が並ぶのだが、わがままなプログラムにもかかわらず、聴衆はリピーターが中心で少しずつ増え、今回は200人を越え、準備したパンフレットが足りなくなる盛況であった。主催者としては感謝、感謝(合掌)。

  さて今回の “となりの音楽会”はとなりの音楽家が学生時代を中心に若いころ暮らした信州で組んでいた弦楽四重奏を軸に構成した。当然、練習は弦楽四重奏が中心。当然、メンバーの住居は離れており、名古屋に集まって行なったのだが…

  練習が楽しかった。自分が音程をはずしたり、填まらなかったりする時は不満が残る。しかし、他のメンバーが間違ったり、滑ったりしてもタノシイ!もちろんうまくはまった時はもっと楽しい。こんな経験はいつあったのだろうか?そう、学生時代のテツマンの明け方もこんなことがあったっけ…練習がこんなにも楽しいものだとは

  アマチュアの演奏家といえども練習は真剣である。アマオケをやっていたころ、アンサンブルの練習でもプロ以上に?真剣に取り組んでいたかもしれない。思い通りに行かないときは、青筋が立ち、涙が浮かび、けんか寸前ということも少なくなかった。でも、それは毎週練習しているからだったと悟ってしまったのだ。楽しみであるはずが、いつの間にか日常業務、プロに成ってしまった?結果!でも、それは演奏会でイイ(かっこいい)演奏がしたいから仕方がない?

   

 

  先日、毎年聴きにいく、TMトリオのコンサートに出掛けた時、同じような臭いを感じた。このトリオはアマチュアの持つ熱さ、楽しさに溢れていたのだ。メンバーは各々一流のプロの演奏家で、そのテクニックは半端ではない。そして、年一回この時期にトリオを組んでコンサートツアーをしている。だからなのだ。メンバーは皆このアンサンブルに餓えている。きっとこのアンサンブルを楽しみに日々、日常の音楽(仕事)をこなしているにに違いない。

  相手の息使いを感じ、欠点も含めて許容でき、自分も心地よく包み込んでくれる。この関係は恋人?いや夫婦?いや、幼馴染みが一番近いのか。現在私が組んでいるタンゴトリオTLMが、最近この境地に近づきつつあるのを感じる。それも5年のブランクがエッセンス(触媒)となったようだ。休みが必要!これは仕事にも必須なのかも。。。

  この歳になってやっとわかった。誰も教えてくれないものだから。素晴らしい演奏家はもっとストイックなのだろう。でも、素晴らしいアマチュア・アンサンブルはメンバーが混然一体となって、聴衆も混然一体となって、舞台の上から語りかけるのではなく、同じところ、高さで音楽を共有する。なーんだ。路上ライブじゃないか。ウケルワケダ、、、クラシックは貴族の音楽ではない。我々大衆に開かれた…。そんなことを言っていた人もいたような………

  御託を並べてないで練習、練習。これは個人練習のことです。音程、リズム、ビブラート、歌い方、音色、松脂をつけてと。これがなくては究極のアンサンブルを味わうこともできませんものね。楽しくないなあ。

  あなたはどんなアンサンブルがお好きですか?アンサンブルの人間関係に思いを馳せながら、コンサートを眺めてみるのも面白い。かも

  (10106: 2007.10/1)  

トップに戻る