コンサートの楽しみ
 

  先日、ピアノトリオのコンサートに出かけた。毎年年末に橿原でひらかれる友人のI 氏が世話しているコンサートだ。プログラムはドボルザークのドュンキーとラフマニノフの悲しみの三重奏など。チェロのUさんの深みのある暖かい音と、ピアノのOさんの精緻な演奏に、I クンが加わり、期待以上の演奏会であった。この演奏会には、ここ数年欠かさず訪れている。私がヴァイオリンを奏くせいもあり、いつもUさんの演奏が一番気になる。毎年感動はするのだが、少しずつ異なっている。Uさんの音楽の志向性、その日の体調も影響するのであろうが、聴く側の私の体調も少なからず影響するようだが…。

   

  さて、コンサートの楽しむコツは何か?私の楽しみ方も紹介しよう。まず、演奏者と一体化すること。演奏者と同じ気持ちになって曲を、音楽を楽しめれば最高である。そのためには、あまり小さいことにはこだわってはいけない。出来るだけ音の流れに身を、心をまかせること。そのためには、私は少量のアルコールを使用する。これがとてもよい。一人一人それぞれの聴き方があり、それぞれコンサートの楽しみ方も微妙に異なっている。しかし、最も大事なのは音楽を楽しもうという気持ちだろう。

  完璧な演奏を聞きたいのなら録音を聴いたほうがいい。なぜ、われわれはナマの音楽を聴きにいくのか?録音にはない深みのある生の音、そして演奏者と聴衆が一体となって作り上げる空間を共有できるから。演奏者もそれが快感となり、予想できないすばらしい演奏に出会えることもある。

  あなたのコンサートの楽しみ方は?新しい楽しみ方を探るために今年もコンサートに出かけて見ませんか。

  (TNVN 2002.1.1)