となりの音楽家の ひとりごと |
出会い、そしてお付き合い |
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10106の主宰する「となりの音楽会2025」のテーマは「出会い、そしてお付き合い」。人生において人は様々な対象と遭遇する。これが「出会い」。気になれば関わる。これが「お付き合い」。出会う対象は@人、A場所、B物、、、また、それらが複雑に絡み合うこともある。 「出会い」の対象の人は、伴侶、友人、隣人、家族。職場や学校、趣味などの団体で、街で遭遇することもある。そして「お付き合い」が始まる。この「お付き合い」のマニュアルは本やSNSなどでテーマとなり、その数は無数。ということは 「お付き合い」のバリエーションも無数、問題解決法は自身で見つけるよりないようだ。ちなみに10106は隣人、家族、職場や学校で「お付き合い」を長期間続けざるをえない場合は、関わり過ぎないように、波風が立たぬよう心がけている。さて、深く長く「お付き合い」したい伴侶、友人とはいつも真剣勝負!相手の意向をさぐりつつ、自己主張もしつつ、落とし所を探る日々を愉しんでいる。それでも険悪になった時は伝家の宝刀「出会い」のころの「なぜ深く関わろうとしたのか?」を思い出す。相手を魅力的に感じた数々の資質を思い出し、今不満を感じる問題点を冷静に洗い出して自己総括、殆どの場合は「お付き合い」を継続する道を選んでいる10106がいる。 |
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音楽でも「出会い(出合い)」の対象は多い。音楽のジャンル、楽器、師匠、曲、作曲家、演奏家、演奏仲間と挙げればきりがない。この「ひとりごと」シリーズでもその「出会い」のエピソードに触れることが多いが、10106がこのエッセー「ひとりごと」をまとめて出版した小冊子、「となりの音楽家のひとりごと」のコラムにその殆どを記してしている。 「となりの音楽会2025」の冒頭ではAカルテットのベートーベン弦楽四重奏曲第3番を選択した。Aカルテットが結成当初に第1番に取組んだ頃を思い出し、アンサンブルのその後の熟成を味わいながら、50年以上の長い「お付き合い」を振り返りつつ演奏を愉しみたい。 ベートーベンのクロイツェルソナタ。この曲は昔から知っていた。だが、Aカルテットが以前ヤナーチェックの弦楽四重奏曲「クロイツェルソナタ」に取組んだ時、この曲に啓発されてトルストイが書いた小説を読んだ。文中にはこの曲を夫人と若いヴァイオリン奏者の演奏する様子が描かれていた。その後クレンメルとアルゲリッチの鬼気迫る名演に出合い、10106はこの曲の虜となった。その後もこの曲は聴くだけの曲と決め込んでいたのだが、昨年発作的に楽譜を購入、挑戦を始めた。 アストル・ピアソラのコントラバヒッシモとの出合いは1995年ごろ?テレビで奈良の寺院の境内で弦楽器を複数混えたバンドが強烈なリズムに身を任せて乗りのいい曲を演奏していた。その様は10106の脳裏に強烈に焼き付いた。時が流れ、その時演奏されていた曲がコントラバヒッシモだと知ったのは岩井さん、松原陽子さんと“トリオ・ラ・モンターニャ”を組んでピアソラの世界にどっぷり浸かるようになってから、、、 10106は新たな曲の練習を始めるとき。その曲と初めて出合った場面を思い出す。作曲したときの作曲者の心情も思い浮かべる。また、評価の高い動画や録音音源から演奏者がこの曲をどう捕らえているかを汲み取る。それからようやく楽譜を前に練習に取り掛かる。 あなたはお付き合いに困ったとき、どうしていますか?そのとき出会ったころのことを思い出してみませんか?
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(10106: 2025.5/20) |
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