となりの音楽家の ひとりごと |
風の盆 |
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テレビで「風の盆」を紹介していた。新型コロナの感染が一段落したので久し振りの開催だそうだ。ゆっくりと流れる一定のリズムに乗ってゆったりと舞っている。見入るでも聴き入るでもなく、そこには和んでいる10106があった。 この盆踊りは女性が主役となる。一年で一番忙しい農繁期が終わる盆に夜通し踊リ明かし、仕事の疲れと憂さを晴らすのだという。酒宴を張るよりよっぽど健康的!同じような盆踊りは「郡上踊り」も有名である。 同じ主旨の盆踊りは「炭坑節」、「阿波踊り」、「河内音頭」など全国各地に数々あるが、多くはテンポが速い。憂さの発散にはなるのだろうが、夜通し続けるにはきつそうだ。戦後のツイスト、バブル期のディスコ・ダンスもその類なのだろうが、最近ではそのような集団での踊りは下火になっている。その代わりなのか?最近のクラシック音楽ではないコンサートやスポーツ観戦(応援)で観客がそろって体でリズムを刻んでいる。結構ハードであるが、これもイベントと同時に終了する。 |
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音楽でもリラックスに主眼を置いた曲が多数ある。先ず思い浮かぶのは子守唄。子守唄ではないが、10106はベートーベンの第九交響曲の第3楽章を聴いているとき、いつも眠りに落ちる。そして、第4楽章の冒頭、バリトンのソロでハッと目が覚める。ベートーベンと演奏者には大変失礼とは思うのだが、美しい曲を作曲したベートーベンと美しく演奏するオーケストラが悪い、いや素晴らしいと言うべきだろう。テンポは速いが、モーツアルトの音楽でリラックスするという方も少なくない。モーツアルトの音楽の流れには無理がない(驚きが少ない)からだろうか?ただ、演奏する側、とくに我々アマチュア演奏家の立場からすると、モーツアルトの演奏はやっかいだ。演奏者の技量がそのまま表れるうえ、少し練習しても演奏の良し悪しにすぐに表れてこない。10106はアマチュア演奏家!日々の練習も楽しみたい。新たな発見がない練習は面白くない。先日、友人Wがブルックナーの音楽について、「壮大なる凡庸」と評していた。なるほど納得!ブルックナーの音楽の構造、進行にモーツアルトのように無理がない。そして、新鮮さや驚きもない。しかし、そんな彼の音楽にどっぷり浸ってリラックスしている私の友人も少なくない。時間の無駄も大事!とうなずく10106であった。 あなたがリラックスできる時は何をしているときですか?どんな曲を聴いているときですか? |
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(10106: 2023.9/15) |
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山の音楽家のひとりごと
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