となりの音楽家の ひとりごと |
好きな曲、得意な曲 |
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モンティー作曲のチャルダッシュはジプシー(ロマ)音楽の最高傑作である。昔開催されていた音楽喫茶“山”の会でヴァイオリンのHさんがお気に入りのピアニストYさんを従えて演奏するとメンバーはいつも拍手喝さい。10106が連れ合いと何度か訪れたVn古澤巌さんのコンサートでも最後に必ず演奏!会場が最高の盛り上がりを見せる。同じようなお約束といえば、ウィーンフィルの新年コンサートでは最後にラデッキー行進曲を演奏する。それまではおとなしく聴いていた紳士淑女が力いっぱい拍手で演奏に参加する様子は実に圧巻。そんな様子をみて、10106主催のコンサートでは最後に必ずチャルダッシュを演奏する。いつも必ず盛り上がる。これを聴きに、いや一緒に拍手で演奏に参加するのが最大の目的のファンもいる。(10106の拙書:となりの音楽家のひとりごとのコラムより) このチャルダッシュ。10106の大好きな曲ではない。嫌いな曲というわけではないのだが、、、聴き手に受ける!こんな曲が“得意な曲”と言えるのではないかと10106は思う。クラシック演奏家にも、演歌歌手にも、いわゆる“18番”がある。聴き手(ファン)に乞われて何度も演奏するうちに、完成度も自然と高くなる。とくにポピュラー歌手は短い曲を頻繁に披露するうちに深みや味が次第に熟成されるのだろう。10106のようなアマチュア演奏家には公開演奏(披露)する機会が多くはない。せっかくの数少ない披露の機会に新しい曲を選択することが多いのはなるほどと納得できる。10106も同じ。しかし、聴き手や演奏会場が異なる場合、同じ曲を何度も演奏するのは悪くない。これにより、演奏者の技量の向上や曲の完成度に磨きをかけることができ、いわゆる“18番”を持つこともできるのである。 |
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10106の好きな曲をあげてみよう。ドビュッシーやラベルなどのフランスもの、シベリウスやグリーグなどの北欧もの、ピアソラのタンゴ、ドヴォルザーク、ショスタコヴィッチの作品も捨てがたい。彼らの作品全てが10106のお気に入り!案外多いのでわれながらビックリ!しかし、この中で聴き手から高い評価を受けた曲“18番”はそれほど多くない。ドビュッシーの“美しい夕暮れ”シベリウスの“マズルカ”ピアソラの“サメ”“昔々”ぐらいだろうか?それに対して聴き手から乞われてよく再演する曲は、前述の“チャルダッシュ”のほかにバッハの“アリア”、ポルムベスクの“望郷のバラード”、ベートーベンの“メヌエット”“スプリングソナタ”などなどと予想外に多い。10106の所属するAカルテットにも“18番”がいくつかある。Aカルテットは来年の5月に松本市でコンサートを開く。その時は新曲も披露するが、プログラムの半分に“18番”を並べてみた。結果がどうなるか?はなはだ興味深い。 好きになる曲、作曲家と10106はどこで出会うか?昔はコンサートやラジオ放送、友人からの紹介だった。また、10106は楽譜屋でふいに出会うこともあった。今はテレビ、ネット動画に変わってしまったようだ。いづれにしろ、一耳ぼれすることが多い。もうひとつ、10106は貴重な経験をしている。10106の所属する学生オケでまだ良く知らない曲が定演の曲に選ばれた。シベリウスの交響曲第二番(シベ2)である。この曲は以前イベント・オケで演奏したことがあり、その時は良さが分からず、いい印象を持てなかったからだ。最初は乗り気のないまま練習を始めたのだが、次第にその魅力に気づき、遂には虜となってしまった。このシベ2は10106の指揮経験の中で、最も嵌まった曲となった。食事でもそうだが、食わず嫌いはとても残念なことだ。嫌いそうだと思っても一回は箸を付けてみることだ。想定通り、ヤッパリ魅力を感じない!ことが殆どではあるのだが、悪くないと感じて何度か口にするうちに嵌まってしまう。そんな経験、あなたもありませんか? あなたが好きなことは何ですか?得意なことは何ですか?どちらかを選ばなければならない時はどうしていますか? |
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(10106: 2022.10/28) |
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