となりの音楽家の ひとりごと |
グリーグとシベリウス |
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先日となりの音楽家が 音楽仲間と大和郡山市の“やまと郡山ホール”の小ホールでとなりの音楽会2005を 開催した。プログラムの前半は北欧ノルウェーのエドヴァルド・グリーグ の書いた曲だけで組んでみた。曲目 は、全員の合奏で“ソルベーグの歌”、ピアノ・トリオの“アンダンテ”、ピアノの抒情小曲集、ヴァイオリン・ソナタの第二番である。 グリーグは自らが生まれ育ったノルウェーを心から愛したという。ノルウェーの自然といえばフィヨルド海岸である。深い水の色はあくまで蒼く、静かな水面には深い緑の森が映りこむ。またグリーグ はそこに生を営む素朴な民衆の民謡や舞踏を愛情を持って貪欲に取り入れている。その中にスコットランドの民謡や舞踏の片鱗を感じるのは私だけだろうか?バイキング!そんな言葉が一瞬、頭を掠めた。今回のコンサートを通じて、となりの音楽家はグリーグ が描きたかったノルウェーをより深く感じることができ、至福の時を過すことができた。 |
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北欧にとなりの音楽家が大好きな作曲家がもう一人いる。フィンランドのシベリウスである。自国の自然と人が好きな点はグリーグと同じである。しかし、音楽の色がグリーグと少し異なる。フィンランドの自然は湖と森の緑である。シベリウスの歌も決して明るくはないが、グリーグよりわずかに明るいのは背景となる自然の色彩感ではないかと思っている。リズムに関してはグリーグ が土俗的なリズムにこだわるのに対してシベリウスはメヌエットなど、クラシックに伝統的なリズムを多用する。その点でドイツ音楽が子供のころから体に染み込んでいるクラシックの演奏家にはシベリウスの曲の方が馴染みやすく、捕らえやすいように思う。 あなたはグリーグ とシベリウス、ノルウェーとフィンランド 、どちらが好きですか? |
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(10106: 2005.9/21) |