トリオ・ラ・モンターニャ

TLMノート

 弓(ゆみ) 

 

 

  8月5日の日曜日にトリオ・ラ・モンターニャ、ピアソラコンサート 2001 in Yamaが橿原市の音楽喫茶“山”で開かれた。いくつかの演奏会と開催が重なったが、猛暑の中、多数の来場者があった。例のアンプが途中でうなることもあったが、大きな事故もなく無事終了した。さて、演奏会も終盤、ヴェノスアイレスの冬がはじまったころ、ピアノのソロの最中に突然ベースの I 氏が舞台から静かに姿を消した。そして、しばらくして舞台に戻った I 氏の手には弓が持たれていた。

  クラシック音楽ではコントラバスはほとんどアルコ(弓で奏く演奏法)で演奏するのに対し、ジャズではほとんどピッツィカート(指ではじく演奏法)で演奏する。ピアソラの音楽ではアルコとピッツィカートが交錯する。今回は早く気づいて演奏を中断することなく、ことなきをえた。

   コンサート中に楽器に演奏上の支障が発生することが時々ある。演奏者(楽器)の多いオーケストラの演奏会で比較的多く見られるのが、ヴァイオリンなどの弦楽器の弦が切れる事故である。オーケストラでは楽器を交換して一番舞台のそでに近い人が舞台裏で処置する。弓を忘れた場合はどうするか。これは見たことも聞いたこともない。弓の毛が1,2本切れることがあるが、これは演奏に支障はない。激しい曲を奏く時は少々切れたほうが、雰囲気が出る。8/5のコンサートでも私の弓の毛が1本途中で切れ、乗り乗りの演奏が出来た。

  9/9のコンサートでは弓の毛は何本切れるか、期待?して下さい。

(2001.8/19)